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~短歌~

第10章 かきやりし その黒髪の 筋ごとに うち伏すほどは 面影ぞたつ




天狐の果実に、先を触れさせようとすると、それを天狐が手で制した。

「どうした?」
「向きを換える。」

正面を向き合っていた身体。
天狐は重たげに身体を起こし、褥の上に四つん這いになる。
わさり、と尾を俺の方に向け、そして器用に尾を横へずらす。
俺の熱く燃える火器の前には、天狐の熟れた果実が晒される。
食われるのが待ちきれない果実には、艶めかしいほどぬめる果汁が溢れている。

「初っ端からそれかよ。」
「うん?」
「いや、そうか。お前は黒狐の天狐だったな。」

不思議そうに四つん這いのままでこちらに視線を向ける。
そのどこか恋うような天狐の視線に、耐えきれず俺は焼け落ちそうな一物を天狐の果実へとあてがった。

「う。」
「ひゃ、あ、きゃぁ!」
「は、ん。狐みたいな声出しやがって。」
「はぅ」

天狐の中は、一瞬でも気を抜けば焼けただれてしまいそうなほど熱かった。
轟々と音を立てて燃え上がる炎の中、最奥を目指す。
最奥まで到達するが、動けば自分の一物が焼け落ちる寸前だった。

「あ、ぅ」

赤子のように呻く天狐。
これもまた理性が崩壊しそうなのだろう。
壊れてしまえばいい。
わずかに焼け残った理性をかき集め、今だけは、と本能を押さえつける。

「天狐」
「うぅ」
「先に、良くしてやるから」

わかったもうんもなかった。
四つん這いで俺に背を向ける天狐の腰を掴み、動く。
ゆっくりと熱さを確かめるように。


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