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~短歌~

第7章 恋すてふわが名はまだき立ちにけり人知れずこそ思ひ初めしか




今回は珍しく親父を隊長にチームを組むことになった。
後はキバの姉、犬塚ハナ中忍とキバ。
何となく獣臭いこのチームにはもう二匹獣が混じった。
キバの赤丸と天狐。

「お前、ぜったい忍犬にしたくないって言ってたのに、狐、お供にしちまってんじゃねぇかよ。」
「成り行きだ成り行き。って、あいつは今日親父についてきたんだ。俺じゃねぇよ。」
「なんだ、シカクさんの忍狐になったのか。」
「オレんじゃねぇさ。シカマルに一番懐いている。キバの推測通りだ。」
「ほらな。」
「うるせぇ、前見て走れ。」
「シカマル君の言う通りだキバ。注意散漫は怪我の元。前見て走れ。」
「はいはい。」

先頭を走る親父の下を、つかず離れず地面を切るように走る黒い狐。
いつの間に力を付けたのか、上手くチャクラを操れるようになり、本当に忍狐になってしまった。
俺の任務には付いてこないが、隠れ隠れ親父の任務には付いて行っているようだった。
その事に何となくざわつく自分に舌打ちした。

「ここらだろう。」

親父が足をとめたのは、木の葉の里の忍ですらなかなかに入らない岩肌が剥き出しの切り立つ山。
生い茂る木々や大きく落ちる滝は獣の気配すらかき消し、得体のしれない者の気配を感じさせる。
人はもちろん、犬である赤丸も少々怖がっている。
ただ、そんな深い森の中で唯一目の色を変えないでいるのが天狐。

「近頃、熊か猪か、はたまた忍かが、里付近の森に出没している。どうにも出所はこの森の中だ。探して排除する。」
「獣の場合は排除ですが、忍だった場合はどうしますか?」
「出来れば捕まえる。人に被害はまだ出ていないが、どうにも獰猛な気があってな。小さな動物が多々死んでいる。」
「食われてる訳じゃないんすか?」
「ほとんど食い痕はない。」

ふん!と鼻を鳴らす音に振り返れば天狐。
天狐も以前熊に大けがをさせられていることから、ちょっとイラついたのかもしれない。

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