第12章 黒髪の 乱れも知らず うちふせば まづかきやりし 人ぞ恋しき
触れて!と天狐の口が紡ぐ前に、俺が耐えきれず噛みついた。
もう術になんて構ってられねぇ。
褥の上で天狐を組み敷き、互いに求めあう。
天狐の滑らかで細い手が、知りたいと必死に俺の身体をまさぐり、俺に天狐の香を付けていく。
片手で天狐の尾の付け根を探りながら、開いた手で滑らかで艶めかしい白い肌を堪能する。
「もっと、愛して、シカマル」
「積極的だな。」
前には見なかった、俺をこんなにも求める天狐。
尾の付け根がよっぽど好いのか?
俺の下で乱れる天狐に耐えきれず、俺も急いですべての衣を脱ぐ。
触れてもらうまでもない。
俺の一物はもう燃えていた。
俺が天狐の炎に飲まれた。
「入れるからな。しらねぇぞ。」
「ぁう」
「あ、うわ。」
ぎゅう。と天狐の姫場所に一物を押し入れると、前と比べ物にならないほど熱く熟れていた。
持って行かれるとかではなく、驚いた。
本当に燃えているのではないかと思わず冷静になってしまうくらい。
俺を受け入れて多少苦しそうにしているものの、快感に狂った天狐は熱いまま。
そんなに俺に焦がれていると言うのだろうか。
支配欲と優越感が俺を満たす。
「好くして、ヨクして」
牙を覗かせてまで求める天狐。
そんなのに俺が耐えきれる訳もなく、求められるがまま、本能のまま、がむしゃらに気持ちよさを追いかけた。
「あっ、あぁ、キャ、あん」
「天狐、あぁ、イイ」
「しか、まる、あぅ」
獣の様に、ただの獣の様に。
互いを掻き抱き、触れ、燃え、盛る。