第12章 黒髪の 乱れも知らず うちふせば まづかきやりし 人ぞ恋しき
「ふぁ」
呼吸を求め、声を漏らす。
うなじに手を回し、俺はもっと、もっと、と天狐を求める。
諦めたのか、それとも同じ様に箍が外れたのか、人間の舌とはちょっと感覚の違う天狐の舌が、探るように俺を舐めった。
「天狐」
「ふ、あ。」
「きれいだ。」
息をするのに精一杯の天狐。
また、口内を犯す。
今度は注意して舌で牙をなぞり、手は人には無い尾の付け根を探る。
不思議だな。と珍しげに触れていると、段々と天狐の反応が変わってきた。
「ここ、イイのか?」
「んっ、ふぅ」
耳元で聞いてみれば、なぜかもう言葉が返ってこない。
身体の力は完全に抜け、しっかりと影で支えていてやらないと今にも崩れそう。
恐る恐る天狐の姫場所へ指を触れると、自分のモノが反応してしまうほどに濡れていた。
「そんなに好いのか。ここ。」
「ひゃぁ!」
「へぇ」
がくがく。と天狐の足が震えている。
尾もピンと緊張し膨らんでいる。
やはり人とは感じる所が違うのか、面白いな。
よくしてやりたいと思ったが、俺は一度手を止めた。
天狐は無くなった刺激に、はた。とこちらを見る。
金色の目はうつろで酔っている。
「天狐。良かったか?」
ハッキリとそう尋ねると、ようやく我に返って目に力が戻る。
「き、聞くな!」
「ふぅん。」
天狐の理性が既に崩れそうなのは解る。
別に俺はこういうことに関して経験が豊富とか、物凄く興味があったとかではないが、今の天狐の様子から解る。
もっと触れてほしいはずだ、もっとヨくして欲しいはずだ。
だから、俺ももっと触れたいのを我慢して、乱れる天狐を見たいがために、視姦する。
「う。ヴゥ。」
「良かったか?」
「よ。よか、た。」
「もっと?」
「ヴゥウ。もっと!シカマル、もっと」
あ、壊れた。
で、俺も壊れた。