第11章 住の江の 岸に寄る波 よるさへや 夢の通ひ路 人目よくらむ
神経を研ぎ澄まし、通力を持ちあげながら、音と匂いを探る。
刹那、ヒュン!と飛んできたのは、なじみ深い武器。
牽制のようで、少し離れた所に刺さる。
「来るぞ。」
ガイが警戒する。
ふむ、そうしていれば立派な忍。
次に大きな、ガサ!という音と共に、人が飛び出してきた。
こちらに向かって振り抜いた指先には、チャクラというものを纏っており、地面に大きな穴を開けた。
「うえ!?ネジ!」
「なに、リーか!」
「てぇえりゃ!…って、何してるのリー。って、ありゃ。ガイ先生じゃない。」
何やら大きな棍棒を持った雌と先ほど突っ込んで来た雄は、猿たちの知り合いのようだった。
「ボクたちは、帰りの遅いあなた達を探してここまで来ました。ネジ、テンテン、何かあったんですか?」
「なにって、もううんざり。」
「テンテン。俺には結構喜んでいたように見えたが?」
「ばっか!そんなことある訳ないでしょ!」
とにかく。
やかましい。
次いで、草影から顔を覗かせたのが良く知った顔で、はばからずため息をついてしまった。
「随分だな。」
「たらい回しにされたような気分。」
「たらい回し?」
「違うな。何だろうな。今日は一日猿に振り回された。」
「猿?」
「まぁいい。おかえりシカマル。」