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嫉恋

第4章 雪原の皇子


***

遭難していた少年はもうしばらく走った何もない場所でキャラバンを降りて行った。円堂が本当にこんなところでいいのか、と念を押して聞いていたが、彼はすぐそこだからと歩いて行ってしまったらしい。きっと本人が大丈夫というのだから大丈夫なのだろう。きっとここらは彼の地元なのだろうから尚更だ。

雷門イレブンは半日以上の時間を掛けてようやく目的の地、白恋中学へとたどり着いた。レンガ造り風の建物で、正門を入ったすぐ真正面にはスケートリンクが広がっている。学校には必要なのかよくわからないが、雪国らしいと言えば雪国らしい。あたりに設置されている街灯がとてもお洒落だ。

「うわーっ!本物の雷門中だ!」
「日本一のチームがここに居る!サイン頂戴!」

雷門イレブンを歓迎し、迎えてくれたのは白恋中サッカー部だった。彼らはフットボールフロンティアで優勝した円堂らのことを知っており、しかもファンであるようだ。彼ら全員が快く円堂らを校内へ招き入れてくれた。

「それで、吹雪士郎くんはどこかしら」

挨拶もそこそこに瞳子監督が本題を切り出す。瞳子の問いに白恋中イレブンは顔を見合わせた。そして彼ら各々が推測を述べ始める。

「今頃スキーじゃないかな?今年はジャンプで100m目指すって言ってたもん」
「いや、きっとスケートだよ。三回転半ジャンプができるようになったって言ってた」
「オイラはボブスレーだと思うな。時速100kmを超えたって言ってたよ」

……つまるところ、誰も吹雪の所在を知らないらしい。それでも雷門イレブンは彼らの話を聞いて感心していた。

「スキーにスケートにボブスレー、それで熊殺し?」

風丸が首を捻りながら呟く。あまりどういう人物なのかが想像できないらしい。それでも円堂はテンションが上がったらしく笑顔を浮かべている。

「そんなにスポーツができるなんて、凄い奴なんだな!!」

円堂が感心したような声を上げるとその音は同時だった。廊下の方から誰かが歩いてくる音、それと雪を払う音だろうか、よくわからないがそんな音が微かに聞こえてきた。それを聞いた白恋イレブンの一人、荒谷紺子が教室の戸をあけて外を覗き込む。

「吹雪くんだ!」

雷門イレブンの表情がハッとしたようなものになった。どうやらお目当ての吹雪士郎が帰ってきたらしい。
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