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嫉恋

第4章 雪原の皇子




花織が宮坂と練習することも、友人であるマックスや半田と話すことも気に入らないとは思っていた。今までそれが大きく、特に鬼道に対しては抑えられていたのは、花織が恋しているのは鬼道であり、自分はその代わりだという思いこみがあったからだ。

勝機がないと思っていたから堪えることが出来ていた。しかし、対等になってしまえばその限りではない。

本当はずっと以前から腹の底では花織のすべてを得たいと願っているのだ。声も笑顔も彼女の優しさ、視線さえも……。

他の誰にも渡したくない、触れさせたくない、見せたくない。そんな欲望を彼は胸中に秘めている。

これを花織に押しつけたくないのだ。きっとこの感情は花織を困らせる。よりを戻せば花織のことだ、きっと風丸の為に尽くそうとするだろう。今までの罪悪感も助長して。そして自分はきっとそれに付け込んで花織を束縛するに違いない。……薄々、そんな気がしている。

だがそれでも、花織はきっとマネージャーとしての仕事はきちんとするだろう。でも自分はそれすらも気に入らない、もしかして花織に当たることもあるかもしれない。そう思うとますます花織とよりを戻すことすら躊躇われる。だが彼にとっての一番は"花織を他の誰にも取られたくない"ただそれに尽きるのだ。

温厚な彼らしくない、酷くどろどろとした感情を風丸は持て余していた。それは自分の中に生まれるもう一つの大きな焦り、急激な環境の変化などからも齎され影響しているだろう。そして今まで感じたことのない思いだからこそ、彼は手に負えなくなりつつあるのだ。

彼は前方から聞こえる楽しそうな花織の笑い声にため息をこぼす。自分の汚い感情は胸の中で押し殺して、表にはただちょっとした悩みを抱えている、そんな風に自分を表現した。

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