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嫉恋

第3章 一つの決着




そろりと露天に足を踏み出す。ひんやりとした感覚が足先から広がっていった。すぐに近くの岩影から楽しそうな笑い声が聞こえる。もうみんなすでに温泉に入っているのだろう。とにかく、洗い場がちゃんと分かれていることだけはホッとした。

花織はさっとシャワーで掛け湯をして急ぎ足で温泉へと向かった。出来れば人目に触れる前に湯船に入ってしまいたかった。だが花織のその切実な願いが叶うことはない。

「あ、花織センパーイ!遅いですよー!!」

ドキリと春奈の大声に花織は身を震わせた。数人の視線が花織へと集まる、しかも春奈が花織を呼んだのは彼女にとってもの凄く、タイミングが悪いときであった。春奈が花織を呼んだのは彼女が温泉に片足をつけ、身を屈めているときだったのだ。ちょうど胸を強調するようなポーズ。

そしてたまたま近くにおり、花織の名に振り返った風丸とばっちり目があった。一番対面したくなかった人と真っ先に対面してしまった。数秒間二人は固まったままだったが、彼の頬が赤くなると同時に花織はさっと目をそらした。すると今度は頭にタオルを乗せた染岡と目が合う。

「?おい何やってんだよ、月島。早く入らねえと風邪引いちまうぞ」
「う、うん……」

花織が妙なポーズで硬直していたのが気にかかったのか、染岡は純粋に花織のことを心配してくれた。きっと彼は花織が気にしているところはみじんも見ていないのだろう。花織は染岡の言葉にこくこくと頷くと急いで春奈たちの所まで行き、鎖骨当たりまでを湯につけた。

「どうしたの、花織ちゃん。お風呂に入ったばっかりなのに顔真っ赤だよ?」
「ごめん、何でもないから気にしないで……」
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