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嫉恋

第3章 一つの決着




今日も言えなかったな、と恋する乙女のような事を思う。花織は、おにぎりを美味しそうに仲間たちと談笑しながら食べている彼を見つめていた。それだけで自然と頬が綻ぶ。

中々言い出せないこの気持ち。以前はいくらだって言えたのに、今更になるとなんだかとても言い出しにくい。本当はエイリア学園を倒すまではこの気持ちは抑えておくべきなのだろう。でも、もどかしくて……彼のそばで応援できないのが溜まらなく辛くなる。前はもっと近くで応援していたから、またあの場所に戻りたいのだ。

大好きな人を一番近くで応援していたいと思うのは、やはり恋する者の性なのだろうか。

そんな、のんきな乙女心を抱いていた花織だったが、突然彼女を悩ませるとある出来事が起こった。

「ね、ねえ……。本当に皆、入るの?」

選手たちがおにぎりを食べているさなか、それは提案された。瞳子監督が近くに温泉があるという情報を教えてくれたのである。練習のせいで汗だくになっている選手たち、そしてマネージャーにとっては嬉しい情報であった。花織にとってはただひとつ、問題があったが。

「混浴、って……、書いてあるんだけど……」

着々と着替えを進めている秋たちに、花織が掲示板を見ながらおそるおそる問いかけた。だが、秋はあっけらかんとした様子で花織の問いに頷く。

「うん、そうみたいだね」
「そうみたいだね……って、秋ちゃん」

花織は困り顔で頬を赤らめた。花織が顔色を変えたのを見て、塔子は怪訝そうな顔をして花織を見る。彼女はもう既に着替え終えたようだ。
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