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嫉恋

第3章 一つの決着




「だって疾風ダッシュは、彼が練習してるのをずっと見てたんだもの。特訓のお手伝いもしたんだし……、できても不思議はないと思うな」

花織が彼と共に練習していた頃を思い出す。その言葉に聞き覚えがあったのか、秋があっと声を上げて花織に微笑みかけた。

「それ、風丸くんも言ってたよ。花織ちゃんと一緒に練習した技だからできても不思議じゃないって」
「えっ……?」
「あ、私も聞きました!それにあの時の風丸先輩、ずーっと花織先輩の事見てたんですよ。木野先輩と話してるのに花織先輩のこと目でずっと追ってるんですから」

彼が、あのプレーを見ていてくれたのか。そう思うと花織は堪らなく嬉しいような、だが恥ずかしいような気持ちにさせられた。頬が少し熱を持つのを感じた。やっぱりどう足掻いても自分は彼のことが大好きなのだと実感できる。

「そっか……」

花織は優しい微笑を浮かべて皆が練習する山の方へと視線を向ける。ずっと彼と話したいと思っていたのに、決勝戦前の約束を今まで忘れていたことを思いだした。いろいろ忙しかったから、仕方がないことなのかもしれない。だが、彼とやはり話がしたいと思った、たとえこんな状況に置かれていても。

「炊けましたよー!!」

ご飯が炊けたと花織らを呼ぶ目金の声にマネージャーたちは駆け寄る。花織は目を伏せ、決意を新たにした。あとで、彼に声を掛けてみよう。自分の気持ちを話せそうならば、話してしまおう。そんなふうに花織は思うのだった。

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