第3章 一つの決着
「ふふ、私はマネージャーだもの。だからマネージャーの仕事を優先したいんだ。監督には選手としても動けるようにって言われてるけど、鬼道さんや一郎太くんはやっぱり反対するんだろうし」
花織は、極力練習には参加したいと本音では思っている。彼らの練習の厳しさを知っていないと何もアドバイスができないし、選手の気持ちも分からないと思うからだ。だが、マネージャーとして彼を、いや彼らを支えることも花織にとってはとても重要な事であり、優先すべくはそちらだと思うからこそ、花織は今ここにいるのだ。
「あー……、確かに過保護だもんね。鬼道くんも風丸くんも」
少々苦笑いをしながら、秋が思い出したように言う。確かに花織のことを彼らは好いているのだろうが、現在二人とも花織の恋人であるわけではないのだ。それなのに花織の出場に対してあれほど口を挟んでくるのはやはり彼らが心配性だからだといえる。
「でも月島さんは重要な戦力だと思うわ。まさかあんなに動けるなんて思わなかったもの」
「そうそう!疾風ダッシュ、出来ちゃうんですもんね!恋の力って凄いんだって実感しました!」
この間のSPフィクサーズとの試合を思い出しながら夏未と春奈が言う。春奈の言葉には少し動揺してしまって、花織はボールを地面に落としてしまった。そして少し赤く頬を染めながら春奈の言葉にくすくす、と笑う。