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嫉恋

第2章 想いのすべて




「監督も言っていた通り、前半を終えた時点で俺たちの体力は限界に達していた。もし後半、俺の作戦で試合を続けていたらどうなっていた?」
「どうって……。っ、俺たちもマックスや半田たちみたいに病院行きか……!」

鬼道の問いかけに気づいた風丸が答えを出した。鬼道は頷き言葉を続ける。

「ああ、確実にな」
「じゃあ監督は、俺たちを守るために?」

一之瀬が続けて発言した言葉はチーム内に浸透していった。監督にそういう意図があったのか、そんなふうに波紋が広がっていく。少しだけ監督の意図が読めて今日の妙な作戦に納得したような表情をする者たちが現れ始めた。だが、少数の選手たちと花織は違った。

花織は鬼道の意見に納得がいかなかった。鬼道が言う監督の考えは、あくまでも鬼道の推論でしかなくて監督が実際何を思っているかなんてわからないからである。もし監督が鬼道の言うとおり、監督がそのような事を考えているのならば、事前に説明しておくかあるいは試合自体を棄権するのが正当な判断であったのではないだろうか。そうすればこんなふうにチームに不穏な空気が漂うこともないのだし、何より選手を守れる。そう考えた花織はますます監督に対して不信感を募らせた。

「でも、本当にそれでよかったのか?どんな状況でも全力で戦う、それが俺たちのサッカーだろ!?」
「土門の言うとおりだぜ!円堂を犠牲にして俺たちだけ助かって……。そんなの雷門のサッカーじゃねえ」

花織とは違って監督の方針そのものに対して不満を持っているであろう土門と染岡が発現する。こちらの意見にも賛成しかねるが、どちらかと言われれば花織はこちらよりの意見だ。だがそこへそれは違うと声が響いた。一行は声の主へと視線を向ける。現れたのは怪我の手当てを終えた円堂だった。円堂を心配する声が次々に掛けられたが、染岡が円堂が先ほど言った自分の意見を否定するその根拠を円堂に求めた。
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