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嫉恋

第18章 風を愛する者へ


***

円堂の言葉によってダークエンペラーズを名乗っていた風丸を始めとするメンバーの目は覚めた。エイリア石は彼の言葉に砕け散り、研崎の野望も阻止された。これで本当にすべてが終わったのだ。

試合の後は雷門イレブンの勝利を祝って祝賀会が行われた。学校の先生や伝説のイナズマイレブンOBの持ち寄ってくれた食材使ってBBQが開催されたのだ。雷門の選手たちも、ダークエンペラーズとして集まっていたメンバーも。それだけではなくそこにいたメンバーでエイリア学園との戦いの終わりを喜んだ。

風丸はその中できょろきょろと花織の姿を探していた。試合が終わってから、彼女の姿をちらとも見ていないのだ。花織と普段仲良くしている者たちに花織の所在を尋ねてみても、誰も花織を見ていないらしい。どこへ行ってしまったのだろう。風丸は考える。

「花織はいたのか?」

鬼道が風丸が花織を探していることを察してか、風丸に声を掛けた。風丸は黙って首を振る。先ほど鬼道にも花織の所在を確認したが、彼も知らないらしい。鬼道すら花織の居場所を知らないなんて、と風丸は少し心配になった。しかし鬼道は心配するそぶりは無く風丸の肩を叩いて笑う。

「随分お前が待たせたからな。……まあ、どこかにいるだろう。俺は普段花織が雷門のどこで過ごしているか知らないから何とも言えないが」

鬼道はそう言ってひらりと手を振る。花織が普段いる場所か……。風丸は記憶を巡らせる。今まで花織と一緒に居た場所、彼女の言葉。誰よりも花織と一緒に過ごした時間が長い風丸しか知らない場所はあっただろうか。そう考えてみるとふっと彼女の言葉が彼の頭の中で思い浮かぶ。

"すべてが終わったら陸上グラウンドのそばのベンチで"

フットボールフロンティア決勝戦の直前、彼女とそんな約束をしたことを思いだす。きっとそれは風丸に対しての想いの話であったし、その約束が未だ効力のあるものであるかはわからない。しかし風丸は不思議と花織はそこにいる気がした。

騒ぎの中を抜け出して風丸は陸上グラウンドへと向かった。懐かしい風景が目の前に広がる。サッカーの前に走っていたフィールド、自分と基盤となる場所。その景色の中、約束の場所に黒髪の少女が立っている。
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