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嫉恋

第18章 風を愛する者へ



***

花織は祈る様な気持ちで円堂と風丸のやり取りを見守っていた。風丸が何度も円堂にシュートを打ち込み、円堂はそれを言葉通りに受け止めた。花織には円堂が風丸の今まで辛かった気持ちもすべて包み込んで受け止めてくれている様に感じられた。だがとうとう、円堂も地面に伏してしまう。エイリア石の力が勝ったか……、誰もがそう思った瞬間に秋が叫んだ。

「雷門!雷門!雷門!雷門!」

力一杯に叫ぶ雷門コール。花織は秋を振り返った、秋も諦めていないのだ、もちろん花織だって。花織も力の限り雷門コールに参加する。夏未も春奈もリカも目金も、いつの間にか学校の正門に集まっていた稲妻町の人たちも雷門への声援を投げかけた。

「雷門!雷門!雷門!雷門!」

ひとりずつ、声援を受けて雷門の選手が立ち上がっていく。鬼道、豪炎寺、吹雪……そして最後には円堂も立ち上がってボールを風丸に投げ返す。

「まだ、終わってねーぞ!!」
「……っ!!」

ダークフェニックスが円堂の守るゴールを襲う。だが円堂はゴッドハンドでそれを受け止めた。彼は両手でボールを掲げて叫ぶ。

「思い出せー!!みんなー!!!」

サッカーやろうぜ!円堂の声が彼らの胸の中に響き渡る。

風丸はその言葉に思い出した。自分が陸上よりサッカーを選んだ理由を。なぜ今まで泥にまみれても努力を続けてきたのか。自分が何のためにサッカーを続けていたのかを。

決して強くなるためではない。ただサッカーが好きだったからだ。

円堂たちと共に勝利を目指して努力するのも、花織と一緒にサッカーをするのもすべて楽しい。そこに力などなくてよかったのだ。

風丸は微笑む。それに気づいたとき、エイリア石の砕けた音がした。大丈夫だ、もう力はいらない。すべて思い出したから。
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