第18章 風を愛する者へ
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円堂が立向居に変わりキーパーに入る。だが選手たちはほとんど動けない。ダークエンペラーズのボールから試合は再開し、風丸がゴールまでボールを持ち込んだ。雷門のディフェンスは機能していないも同然になっている。
「勝負してみたかった、キーパーのお前と!」
風丸がゴールに立つ円堂を指差し、強い口調で言う。円堂は両手を叩いて構えを取った。
「望むところだ!」
力強いその返答に風丸の口角がにやりと上がった。渾身の力でボールを円堂に向けて蹴り込む。円堂はボールを受け止めきれずに後ろへ倒れる。風丸は自分の勝ちを確信した、やはり努力を凌ぐのは強い力だ、そう思った。
「まだだ!!」
だが円堂は諦めずに地面を蹴り、ボールをキャッチする。風丸は眉間に皺を寄せた。何故諦めないのか……そう思った瞬間にふと過去の記憶がよぎった。
帝国との試合、初めて俺が参加したサッカー部の試合。あんなに実力差があったのに円堂は決して諦めなかった。何度ゴールを割られたって円堂は必ず立ち上がった。まだ終わってねーぞ!!円堂の言葉が脳裏に響く。
「それが、円堂……」
風丸が何かを思い出したように呟いた言葉に円堂が反応した。ボールを抱えて自分の目の前に立つ風丸に円堂は問いかける。
「風丸、どうしてエイリア石なんかに……」
「俺は強くなりたかった。……お前のように!」
誰かを守れるだけの力が欲しかった。そう微かに呟いた言葉に円堂は何かに気付いたようだった。少し考えた後に円堂は風丸の方へボールを放る。そして再び風丸に向けて構える。
「来い!お前のすべてを受け止める」