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嫉恋

第18章 風を愛する者へ




「貴女にもわかるはずです、エイリア石の素晴らしさが。この力を持てば風丸くんは貴方の元へ戻ってきますよ」

甘い囁き、これを手にすれば風丸が戻ってくる。そう思うと無性にこの石が欲しかった。いや、そうでなくてもこれほど魅力的な石に手を伸ばさずにいられるだろうか。花織の瞳が徐々にぼんやりと光を失っていく。

「……一郎太くんが」

花織はぼうっとした様子で魅せられたようにエイリア石に釘づけになっている。鬼道は背後から花織に何が行われようとしているのかに気づいて駆けだした。研崎は花織を洗脳する気なのだ。風丸の心をかき乱されることが無いように。

「やめろ!!花織に手を出すな!」

だが鬼道よりも速く花織をエイリア石から遠ざけたのは風丸だった。風丸は目にもとまらぬ速さで花織の身体を黒服たちの拘束から解放した。風丸はまだ少しぼんやりしている花織を鬼道の傍で手放すと背を向け、ダークエンペラーズ側のベンチ側で困惑している研崎を見た。鬼道はすぐさま、その場に尻餅をついた花織の身体を支えた。

「花織には俺が力で証明する。……力を得ることの素晴らしさを」

背を向けながら風丸は研崎の方へと向かって歩き出す。花織の言葉に揺らいだように感じたが、ダメだったか……。鬼道は眉間に皺を寄せて風丸の後姿を見る。

そんな鬼道の支えを受けて我に返った花織は立ち上がる。花織は風丸の背中を見据えて大丈夫です、と鬼道に言った。

「花織……?」
「一郎太くんなら、わかってくれます。……大丈夫です」

花織は胸に提げている彼からの贈り物を握り締める。今話してみて分かったのだ、そして今の一連の行動の真意も。彼ならきっとわかってくれる。きっと、いや絶対に。

花織は風丸のことを信じている。

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