第18章 風を愛する者へ
彼らは突然聞こえた声に振り返る。そこには吉良の側近であった男、研崎と黒いマントに身を包んだ11人の人物が立っている。
「皆さんにはまだ、最後の戦いが残っていますからね」
研崎の言葉にマントを被った人物のうち、一人がゆっくりと円堂の前に歩を進める。そして円堂の前まで歩み寄ると彼は顔を覆い隠しているフードを取り去った。青い髪が、マントの中から姿を現す。イナズマキャラバンのメンバーは衝撃に各々表情を変えた。
黒いマントの中から姿を現したのは風丸一郎太を始めとする、雷門中サッカー部のメンバーたちだった。
***
軽い頭痛を感じながら花織はゆっくりと目を開けた。まだ視界はぼんやりとしていて、身体も怠い。目の前に映る灰色が花織の視界を覆っている。
「花織ちゃん!」
秋の声が花織の耳に届く。それと同時に心配そうな秋の顔が花織のことを覗き込んだ。花織は頭を抑えながらゆっくりと身体を起こす。秋と春奈がそっとそれを支えた。
「花織!目ぇ覚ましたんか!?」
リカが花織の正面に回り、花織の肩を掴む。花織はハッとして周りを見回した。ここがどこかわからなかったのだ。だが周りの景色をみて確信する。ここは雷門中のグラウンド、そして今目の前で始まろうとしているのは……。
「大変や、風丸が!!」
「……」
フィールドに立っているのはイナズマキャラバンの選手たち、そして風丸を始めとした風丸と同じようなユニフォームを身に纏った雷門中サッカー部のメンバーだった。段々と風丸との会話を思い出す。俺たち、彼が言っていたのは彼らの事だったのだ。
「みんな……」
半田やマックスの姿もそこにある。入院中、彼らも力を求めるような発言をしていた。……風丸と同じ理由で皆エイリア石に手を出したというのだろうか。でも、どうしてこんなことに
「大丈夫?いったい何があったの?」
秋が心配そうに花織のことを覗き込む。花織は首を振った。花織も秋たちを見つめる。
「私のことはいい。……それより今の状況を教えて」
震える声で花織が秋に頼む。その時、試合開始を告げるホイッスルの音が鳴り響いた。