第18章 風を愛する者へ
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一方その頃、雷門イレブンはようやく雷門中学へと到着していた。彼らは半田たちに会うため稲妻総合病院へと向かったが、彼らの姿は無かった。看護師に確認してみるとリハビリに出ているんじゃないか、という曖昧な答えしか返ってこず、もしかしたら雷門中へ来ているのではないかと思い結局彼らも雷門中へとやってきたのだ。
雷門の上空はどこか薄暗く、辺りは霧の様なものに包まれている。そして人の気配が全くない。理事長からの電話で雷門イレブンの勝利を学校を上げてお祝いするという連絡があったのだが、その気配すらない。
「妙だな……」
鬼道が呟く。この空間だけがどこか孤立していて、陰鬱な雰囲気を感じさせる。何か悪いことが起こる様な嫌な予感も。ふとその時鬼道はベンチに誰かが横たわっているのを目の端に捕えた。どこか見覚えのあるその姿に鬼道は歩み寄る。
「鬼道?」
円堂が急に歩き出した鬼道の名前を不思議そうに呼ぶ。鬼道は歩を進める度にベンチに横たわっているのが誰なのかを確信した。彼の足取りは次第に早くなり、ベンチの傍に跪いた。
「花織……!」
「えっ、月島?」
仲間たちがどよめいた。彼らは花織が風丸からの連絡を受けて一足先にこちらへ来ていることは知っていた。その花織がどうしてグラウンドのベンチに横たわっているのだろうか。鬼道は目を伏せている花織の身体の上体を抱え上げる。彼女は気を失っているようだった。
「花織っ!花織……っ!」
花織、と何度も鬼道が彼女の名前を呼び、身体を揺さぶるが返事はない。彼女は力なくぐったりと倒れ込んでいる。
「どうして花織さんがこんなところに……?」
ぞろぞろと集まり始めた仲間の中で吹雪が心配そうに花織のことを覗き込みながら言う。鬼道は花織の表情を見ながら何が彼女に起こったのかを推測した。この雰囲気といい、花織が気を失ってこんなところにいることといい、嫌な予感が増幅してならない。その時雷門イレブンの背後から声が響いた。
「お待ちしていましたよ、雷門の皆さん」