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嫉恋

第18章 風を愛する者へ




「久しぶりに会ったんだ。それにお前だって俺に会いたいとずっと連絡をしてきたんじゃないか」

一歩一歩彼がにじり寄る。花織は思わず半歩後ずさってしまった。どうして今日の風丸をこんなに怖いと思ってしまうのだろう。あれほど会いたいと、ずっと望んでいたのに。花織は部室の入り口付近まで後ずさる。風丸は花織に手を伸ばして妖艶に微笑んだ。

「ほら、花織こっちに来い」
「……嫌。今日の一郎太くん、いつもと違う」

花織は風丸に向かって自信なく呟いた。風丸は花織の言葉に一瞬きょとんとしていたが、すぐにまたどこか不気味に微笑む。

「違う?フフ、当たり前だろ。お前の為に強くなって戻ってきたんだから」

そう言いながら彼はにやりと口元を歪めた。風丸は自分の結っていた自分の髪をほどく。するとサラサラで真っ直ぐなはずの彼の髪の毛先は重力に反してフワフワと浮き上がっていた。花織はそれも気に掛かったが風丸の言葉も気に掛かっていた。強くなって戻ってきた?いったいそれはどういう意味なのだろうか。

「……強く?」
「そう。俺は誰よりも強く、大いなる力を手に入れた。もう花織を幻滅させることもない、俺が花織にとっての一番で在り続けられる」

風丸は花織との距離を詰め、花織の頬を愛おしげに撫でた。普段なら嬉しいはずの行為が今日は恐怖しか感じない。だがどうにも風丸の言葉に引っ掛かりを感じる。大いなる力を手に入れた。まるで自分で得た力ではなく、第三者から与えられたものであるかのような……、そんなニュアンスが感じられる。それにマントの下に除く、ユニフォームのような衣装。何となく彷彿とさせるものがある。

「大いなる力って……、何の事なの?それにその格好って」
「……フフ」

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