• テキストサイズ

嫉恋

第17章 悲しみの結末




エイリア学園の脅威は終わったのだ。

吉良は逮捕され、ジェネシスの選手や瞳子も帰るべき場所に帰った。ジェミニストームやイプシロンの子どもたちも無事に保護されたという。これから警察の調査が入り、おそらくエイリア事件の全貌が明らかになるだろう。吉良星二郎がヒロト達の手を借りて更生してくれることを願うばかりだ。

「……またね、月島さん」

瞳子と去っていくヒロトが円堂に別れを告げた直後、微かな声で言った。花織はそれに気づいたが、他のメンバーは気づかなかったかもしれない。花織は去っていく基山ヒロトの背中を見つめて思った。この人がこれからは自分の為にサッカーができるようになればいいなと。そして彼がいつか、円堂たちと一緒にサッカーを楽しめる日が来ることを祈った。

さて花織は今、風に靡く髪を抑えながら今までのことを思い返していた。エイリア学園のすべてを彼に報告しなければならないが、どうやって文章を纏めればいいのかわからない。とにかく全部解決したことを伝えて後からじっくり彼に話そうか、などと彼と再会した後の事ばかりを考える。

早く稲妻町に戻りたいな、そう思いながら花織はちらりとキャラバンを振り返る。エイリア学園からの脱出時、キャラバンを無理させ過ぎたせいでどうやら一部故障してしまったらしい。そのせいで今、円堂たちはキャラバンを降り、芝サッカーを楽しんでいた。春奈と夏未も参加している。秋はその様子を眺め、花織は座って携帯を片手に楽しそうな彼らを見ながら何を彼に伝えようかと考えていたところだ。

「花織さん」

そんな花織に吹雪が声を掛けた。いつになく晴れ晴れとした表情の吹雪、ジェネシスとの試合で自分の心に決着をつけた彼は何だか不思議と髪型も変わり雰囲気も違う気がする。花織が吹雪を見上げれば、吹雪は花織に微笑みかける。

「花織さんに話があるんだけど……、いいかな?」
「うん。構わないよ」

花織は吹雪の申し出を快諾し、自分の脇に置いていた鞄を持って立ち上がる。そして二人はキャラバンの裏へと回った。
/ 433ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp