第17章 悲しみの結末
吹雪は自分を縛っていた鎖を漸く解き、チームはまた一つになった。彼が放ったウルフレジェンドという必殺技によって一点を奪い返した。
仲間を想う力は彼らをレベルアップさせた。吹雪だけではない、立向居も他のチーム全員も仲間が一丸となり、それぞれを想いあう力によって自らの力を強化させた。その力はリミッターを解除したジェネシスの力をも防ぎ、雷門はジェネシスを打倒し、とうとうエイリア学園に対して勝利を修めたのであった。
この試合を通して仲間の素晴らしさはジェネシスの皆にも伝わり、吉良星二郎も雷門の勝利に心の力を感じ、ジェネシス計画の間違いを認めさせた。そしてこのジェネシス計画というのは悲劇から作られた計画であったことが吉良の口から語られた。
吉良にはヒロトという息子がいた。とてもサッカーが好きで、将来の夢はサッカー選手という息子。しかしその息子はサッカー留学させた海外の地で謎の死を遂げたのだという。吉良は息子の死の真相の解明を求め、何度も警察に掛け合った。しかし事件に関与していたのが政府要人の一人息子ということもあり、その事件はもみ消されたのだという。
そして生きる気力を失った吉良におひさま園という身よりの無い子供たちの施設を瞳子が勧めた。子供たちの笑顔を見て、彼の心は癒されていった。だがエイリア石の飛来によってすべてが変わってしまった。
吉良はエイリア石の魅力に取りつかれ、心の奥底に眠っていた復讐心を呼び起こした。息子を殺した者どもに復讐してやるのだという気持ちを。
おひさま園の子どもたちも、きっとそれを拒否できなかっただろう。
花織はその話を聞きながらヒロトを見ていた。彼が先日言っていた言葉を思い出す。大切な人の為なら何でもできる。きっと彼は吉良のことを思っていたのだろう。ヒロトは特に吉良の息子に似ていたからヒロトという名前を付けられたのだという。彼にとって吉良は本当の父親以上の、自分にとって絶対的な存在だったはずだ。もちろん他のエイリア学園の子どもたちにとっても。
だからヒロトは基山ヒロトを捨て、グランになることをあの日決意したのだろう。自分が愛されたいと願う父親の為に。
それが、エイリア学園という存在を作り上げた悲しい事実であった。