第17章 悲しみの結末
最終決戦。長かったエイリア学園との最後の戦いだ。
試合はジェネシスのキックオフで始まった。前回の対戦とは違い、ジェネシスの選手と互角に渡り合うことができている。ただシュートが決まらない。キーパーのネロを豪炎寺の爆熱ストームを持ってしても破ることができなかった。
その後雷門のこぼれ球を拾ってグランが流星ブレードを放つ。パワーアップしたムゲン・ザ・ハンドが破られ、グランのシュートがゴールに突き刺さる。先取点はジェネシスだ。
ムゲン・ザ・ハンドが破られたことで選手は動揺した。勝てないのではと揺らいでしまった。しかしそれを瞳子が立ち直らせた。今まで選手を叱咤激励することの無かった監督が、初めて選手に言葉を掛けた。
それによってピッチにいる選手たちは奮い立つ。そしてフィールドにいる選手たちの奮闘に吹雪は身体を震わせていた。そして彼は、ようやく立ち上がる。
「監督!僕を試合に出してください!」
「……士郎くん」
彼の隣に座っていた花織も驚いて目を見開いた。吹雪はこぶしを握っていつになく大きな声で監督に頼み込む。
「僕もみんなの役に立ちたいんです!」
ボールが怖いと言っていた、アツヤが出てきてしまうのが怖いと言ってサッカーから遠ざかっていた吹雪が自分の意思でピッチに出ることを望んだ。瞳子は頷く、ホイッスルの後に吹雪とリカの交代を叫んだ。花織は靴ひもを結びなおしている吹雪の元へと歩み寄る。
「……花織さん」
吹雪は立ち上がる。その表情には硬い決意が見えたが、同時にどこかまだ何かに怯えているような色も見えた。花織は吹雪を見つめる。吹雪を見つめ、彼に一言だけ言葉を託した。
「見てるから。……士郎くんのプレー、ちゃんとここで」
普段なら絶対に風丸にしか花織が言わない言葉。それを吹雪に投げかけた、この試合がきっと吹雪にとって大事な試合となる。エイリア学園に勝つためには吹雪の力が必要不可欠なのだ。
花織は吹雪のプレーを集中して見つめていた。こんなに誰かに焦点を当てて試合を見るのは風丸が去ってから一度もなかった。でも今は彼の選択を見届けなければならない。