第17章 悲しみの結末
翌日、朝の8時時刻通りイナズマキャラバンは出発した。
昨日あれだけ意見が割れたにもかかわらず、彼らは今朝自分の意思でキャラバンに乗り込んだ。この長かった戦いの意味を知りたい。エイリア学園を倒して、楽しいサッカーができるようにしたい。皆の想いはそれが根本にあった。
花織は昨日の出来事を鬼道には言わなかった。鬼道の頼みに何も言わずに背いた初めての事だった。あんな出来事を鬼道に伝える勇気は無かった。しかしきっとエイリアを倒せばヒロトの真意も分かるだろうと思った。……昨日の彼の宣言は、まるで基山ヒロトを捨てたように感じられた。
今日1日、それですべてが分かり、全てが終わる。
花織は大きく息を吐いた。ちらりと隣に座る吹雪の表情を窺った。昨日は河川敷で練習をすると言っていたが成果はあったのだろうか。彼も何か思いつめたような表情をしている。私に彼の悩みを解決することはできないが今日だってもちろん自分にできることはするつもりだ。花織はぎゅっとこぶしを握る。高速道路の看板をちらと見れば富士山麓まであと10㎞。どくんどくんと自らの心臓が響く音が聞こえて、花織は静かに目を伏せた。
富士山麓のおよそ4分の1、そこには大きな黒い円盤状の建物が食い込むようにして建てられていた。まるでUFOを模したような形のそれが恐らくエイリア学園の本拠地であるのだろう。
瞳子が入口の認証パスワードを解除し、エイリアのアジトへとキャラバンは進む。行き止まりで選手たちがキャラバンを降りれば、瞳子は静かにこの場所についての説明を始めた。
「ここは吉良財閥、兵器研究施設」
瞳子の告白、そして警備兵を乗り越え到達した部屋で語られたエイリア学園を統べる彼女の父、吉良星二郎の話。この2つによりエイリア学園の衝撃の真実が明らかになった。