第17章 悲しみの結末
「こんばんは、月島さん。こんなところにお邪魔してしまってごめん」
申し訳なさそうにヒロトが微笑む。花織はヒロトのその気さくな話し方に困ったように彼に笑い掛けた。しかし彼のこの態度で確信できる。先日の不審な男たちはやはり少なくともヒロトの差し金ではなさそうだ。でなければこんな態度で花織に会いにくることなどできないだろう。
「今日は君にお別れを言いに来たんだ」
「お別れ……?」
ヒロトに対し何と声を掛ければよいか、言葉に詰まっていた花織はヒロトの言葉に首を傾げた。ヒロトは少し寂しげな表情をして花織を見つめる。
「大切な人の目的のためなら何でもできる。この間の君の言葉、それで俺の心に決心がついたから。……月島さん」
ヒロトは花織の腕を取って花織を自分の胸に引き寄せた。突然のことに反応できなかった花織はバランスを崩してヒロトの胸に倒れ込む。彼は花織を強く抱きよせ、花織の髪に顔を寄せた。花織は一瞬何が起こったのか分からずに呆然としていたが、すぐに我に返るとヒロトの腕から逃れて部屋へと逃げ戻ろうとする。ヒロトは逃げる花織の左腕を掴み、花織を見つめた。
「な、何を……っ」
「好きだったよ、君の事」
寂しそうな表情のヒロトが言葉を紡いだ。花織の瞳が衝撃的なヒロトの言葉に揺れる。ヒロトは花織の左手首に口づけを落すと花織の腕を離した。解放された花織は自分の左腕を胸に抱き、ヒロトから距離を取る。
「ひ、ヒロトさん……?」