• テキストサイズ

嫉恋

第17章 悲しみの結末




その晩、花織は自室で考え事をしていた。監督とエイリアの事、ヒロトの事、吹雪の事、そして風丸の事……彼女には考えるべき事が多くあった。

ただ明日富士山麓へ行く決心はできている。行かないという選択肢は彼女の中にはない。

円堂の言うように真実を知るために、吹雪の傍にいるために、そして雷門の一員としてエイリア学園、ザ・ジェネシスとの戦いに参戦し、風丸がサッカーに戻ってこれるようにするために。花織にはその思いがある。もちろん病院で待つ、彼らの為にも明日はたとえどんな立場での戦いになろうともせめて見届けなければならない。

花織はぎゅっと胸に下げたペンダントを握る。一郎太くん、私が貴方の代わりにできることをするから。……だから待っていてほしい。彼を想いただ祈る。花織には祈ることしかできない。

そのとき、コンコンと花織の部屋の窓が叩かれるような音がした。花織は顔を顰め、窓の方へと歩み寄る。この窓はベランダに通ずる窓だが、特に物は置いていなかったはずだ。風で何かが当たったとも考えにくい。そんなことを考えながら花織はカーテンを開ける。そして窓の外に立っていた人物に目を見開いた。

「ヒロトさん……!」

花織は窓の鍵を開けてヒロトを凝視する。一応ここは2階だ、神出鬼没の彼はどこにでも現れるのだろうがこんなところに出てくるとなるとやはり人間ではないのか、と思わずにはいられない。こんなに人間に似た容姿をしているのに。ヒロトは部屋には入ってこず、その場に立ち尽くしたまま花織に向かって微笑んだ。
/ 433ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp