第17章 悲しみの結末
「大丈夫だったか?」
鬼道が花織を抱く手を緩め、花織の両肩を掴んだ。花織は何とか首を縦に振って見せる。衝撃の出来事に今まだ心臓がバクバクと音を立てていたが、気持ちは大分冷静になれた。そんな花織の様子に鬼道は安堵した様にホッと息をつく、彼も息が切れているようだ。
「でも、どうして鬼道さんがこんなところに……」
「先刻まで円堂たちと鉄塔広場で練習をしていてな。一足先に戻るところだったんだ。……花織、アイツらはエイリア学園の」
声を潜め、顔を険しくした鬼道の問いかけに花織は頷く。どうやら鬼道が花織を見つけてくれたのは偶然だったらしい。でも鬼道がここを通りかかってくれて本当によかった。でなければきっと今頃花織は無事ではない。
「やはりな。……鬼瓦刑事に聞いた豪炎寺を脅迫していた者たちの特徴に当て嵌まったから、もしやと思ってな。だがなぜ花織を」
「……わかりません、思い当たる節はなくて。ただ……」
口籠って花織は俯く。ただジェネシスのキャプテンと時折会っている、という点は他の皆とは違う点かもしれない。可能性としてはジェネシスのキャプテンとしてヒロトが雷門イレブンへの報復を考え、花織を消そうとした、というのは無いとは言えないことだ。
そう思って花織は、せめて鬼道だけにはヒロトとのことを話しておいた方がいいだろうかと思った。鬼道ならば内密に、といえばチームには黙っていてくれるだろうし、客観的に今の花織の置かれている現状を把握してくれるかもしれない。
「ただ?」
「……私、ジェネシスのキャプテンと何度か会っています。彼の正体を知る前も、後も」
「!?」
鬼道は花織の返答に目に見えて動揺したようだった。花織の肩を掴む手に力が籠る。自分にとって特別な人物がエイリアの人間と会っていたことが信じがたかったし、何より彼女が自分の知らぬ間に男と密会していたということに彼の心は揺らいだ。
「どういうことだ、花織?」
「ヒロトさん……、いえグランは時々ふらりと私の前に現れるんです。一度目は北海道、二度目は京都、そして福岡。……一郎太くんがいなくなってからもです。福岡と沖縄で」