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嫉恋

第17章 悲しみの結末





花織は震える声で答える。男たちはそんな花織の返答を嗤った。そして花織の腕を掴もうと冷たい声と共にずいと手が伸びてくる。

「君に拒否権はない」

頭の中で一刻も早くここから逃げなければと警鐘が鳴っている。花織は逃げ出そうとした。だが足が動かない、以前も感じたこの恐怖に完全に足が竦んでしまっている。このままでは、あの時と同じように……。動け、動け動け……!花織は自分の足を動かそうとする。逃げられない、そう思った瞬間に彼女は自分にとって誰よりも頼りになる人物の名を叫ぶ。

「助けて、一郎太くん……っ」

ぎゅっと目を瞑ってあの時自分を救ってくれた救世主の名を呼ぶ。青い髪の彼が助けに来てくれることを心の底から祈った。

「花織!!」

名前を呼ばれると同時にぐっ、と背後から勢いよく手が引かれた。黒づくめの男たちは虚を突かれたような顔をしている。花織は声でそれが誰だかわかった。花織の腕を引かれるままに足を何とか動かした。花織の腕を掴み、花織を走らせているのはこの人だ。

「鬼道さん……!」
「逃げるぞ!来い!」

彼はどこから現れて、どうして花織が危険だとわかったのだろう。そんなことは分からなかったが花織はとにかく鬼道の言葉に頷いた。後ろから追手が迫っている。鬼道は路地を駆け抜け、入り組んだ道を何度も行き来した。花織は手を引かれるまま鬼道に合わせて走る。そして鬼道は十分に男たちを引き離すと花織を勢い良く抱き寄せ、物陰に身を隠した。

「どこに行った!?」

近くで男たちが花織らを探しているようだ。鬼道は花織を庇うように抱きしめる。走ったせいで荒くなっている息を何とかこらえてあたりの様子を窺った。しばらく隠れていると男たちは花織たちを見つけきれず、他の場所を探しに行った。段々と男たちの足音が遠ざかるのを耳で確認しながら鬼道が花織に問いかける。

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