第17章 悲しみの結末
あれから一時間後、花織は帰る方向の違うリカと別れて帰路に付こうとしていた。リカと居る間は楽しくて、笑顔の零れる時間が過ごせた。今抱えている悩みをすべて忘れていられた。しかしひとりになると考えてしまう、風丸のこと、吹雪のこと、もちろんチームに関することも。
時間が遅くなってしまったせいで、辺りは暗く街灯にも光が灯っている。人通りも時間のせいか少なくて、心細さを感じてしまう。そんな夜道を花織は俯き、考え事をしながら歩く。その時に感じたぞわりと背中から突き刺さる様な視線と人の気配。彼女は思わず足を止めた。以前にも感じたことのある、この感覚。花織は振り返る、しかし誰もいない。花織の中には声にならない恐怖がこみ上げた。
嫌な気配がして花織は走り出そうと前を向く。だがその花織の前に黒づくめの服を着た、三人の大柄の男が道をふさぐようにして立っている。花織は息を飲んで後ずさる、この人物たちから明らかに異様な雰囲気を感じた。
「月島花織さんだね」
三人は同じような容姿をしていたが、その中心に立っていたスキンヘッドの男が嫌な笑いを浮かべて花織の名を呼ぶ。花織は恐怖に足が竦むのを感じた。前にもこんなことがあった、後ろ手に縛りつけられ車に乗せられそうになった記憶。あの時の恐ろしい記憶が花織の中に蘇る。
「……っ」
当時のことを思いだし、花織は震えながら後ずさった。だが男たちはどんどん花織と距離を詰めてくる。そして花織に手を伸ばした。
「我々はエイリアに賛同するものだ。エイリアの為、君に雷門に居られると困るんだよ。……だから私たちと一緒に来て貰おうか」
エイリア、その言葉に花織は怯えながらも思考を巡らせた。どうしてエイリア学園が私を?花織は雷門にとって戦力になる人物ではない。マネージャーとしても秋らには劣る。特に優れているわけではないし、エイリアの秘密を知るわけでもない。思い当たる節はないのだ。……ヒロトと何度か密会していることを除けば、だが。
「お……、お断りします」