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嫉恋

第16章 交錯する想い





「俺、風丸とは小さい頃からの付き合いだけど、月島に出会って風丸は変わった。もちろんいい意味でさ」

風丸は円堂にとって良い理解者だった。いつも相談に乗ってくれ、いつだって円堂が無茶をすれば呆れ顔で宥めてくれた。落ち着いた、円堂から見れば大人っぽい友人。

「何ていうか、アイツはいつだって優しいけど、月島と一緒に居る時はもっと優しい顔をしてるんだ。月島とサッカーしてる時は特に楽しそうだしさ」

キャラバンに乗っている時、眠っている花織を見つめている風丸の横顔、花織とふたりでボールを蹴り合っているとき、いつになく楽しそうな風丸の表情。花織と過ごすようになってから、風丸は今まで見せなかった表情を見せるようになった。今思えば円堂ですら、風丸がどれだけ花織のことを大切に思っていたか容易にわかる。

「地区予選の決勝の前の日に月島が危ない目に遭った時、お前の声に気付いたのは風丸だったし。お前がエイリア学園との試合に出るのに反対したり。アイツにとって月島は本当に大切な人なんだよな」

花織は円堂の言葉に頬を染める。そして思わず綻ぶ口元を手で隠した。自分たちの付き合いをオープンにしているのだから恥ずかしいも何もないが、改めて指摘されるとどうしても恥ずかしくなってしまう。

「そんなアイツが、月島をいつまでも放っておいたりしないさ!な!」
「キャプテン……」

円堂の言葉には言いようのない頼もしさがあった。花織は瞳を潤ませる。サラサラと花織の黒髪を風が揺らした。大丈夫だ、きっと。円堂の言葉は常にその人を前向きにさせてくれる何かがある。

「だから、待っててやってほしいんだ。アイツが帰ってくるのを。で、お前が一番に風丸に言ってやってほしい。お帰りってさ!」
「はい!」

屈託なく円堂が笑ってくれる。その言葉に花織は胸の中にある痞えが取れたような気分になった。花織だけではない、彼の帰りを、キャラバンを去ってしまった彼の帰りを待ってくれている人はやはりいるのだ。

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