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嫉恋

第2章 想いのすべて




「俺は、花織が出てもいいと思うけどな」

そこで初めて花織が試合に出ることに対し、賛成意見を出したのは一之瀬だった。彼は花織の肩をポンと叩く。そしてにこっと頼もしい笑顔を見せた。

「俺、決勝前に花織と一緒に練習したんだけど、彼女凄くサッカー上手いよ。この状況なら十分に戦力になると思う。花織のサポートは俺がやるから出してやったらどうかな?」
「俺も一之瀬に賛成だ。花織ちゃん、サッカー部のマネージャーになってからずっとサッカーの練習してたんだろ?別に相手がエイリア学園だってわけでもないし、ただの練習試合なんだから出してやっていいんじゃないか」

一之瀬に同調するように土門が手を挙げて花織の横に並んだ。彼ら二人は、花織がどの程度のレベルでプレーできるか知る人物だ。だからこそ花織が十分戦力になりえると、彼らは判断してくれたようだ。花織がふたりに微笑みかければ、ふたりとも頼もしげに笑って花織の髪などを撫でた。ムッと彼らは面白くなさそうな顔をする。

「どうするんだ、もう時間がないぞ」

豪炎寺が審判を求めるように鬼道に尋ねた。すでにハーフタイムは5分を切っている。そろそろ決断せねば間に合わない。鬼道は深くため息をついた、そして仕方なしというような微苦笑を浮かべながら花織を見る。

「……わかった。いいだろう花織、お前はディフェンスに入れ。極力土門と一之瀬に指示を貰いながら動けば間違いはないだろう。ただし、無茶だけはするな……いいな?」
「ありがとうございますっ!」

鬼道の返答にぱっと花織の顔が華やいだ。そして選手全員に頭を下げると、ユニフォームに着替えるため春奈と共に、傍に留めてあるキャラバンへと駆ける。残された選手たちは突然の監督命令と花織の参加に未だ落ち着かない様子で話し合っている。そんな中、鬼道と風丸は疲れた様子で深くため息をついた。

そんな中、唖然と花織の申し出を見ていた秋が、ようやく我に返り花織に手渡されたものを見た。いったいどうしてそんなものを彼女が自分に渡したのか分からなくて、秋は首を傾げる。

「……?アイシング?」

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