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嫉恋

第2章 想いのすべて




「花織、俺はお前を出すのには反対だ。これだけ力量差がある、それにお前は女だろう」
「相手チームには女性の方もいらっしゃいます。それに鬼道さんも言ってたじゃないですか、これでは戦えないって……。私、絶対に足手まといだけにはなりません、お願いします!」

花織が再び鬼道に頭を下げる。鬼道は困り顔で花織を見ている。今は喉から手が出るほど人が欲しい、花織が参加してもそれでも人数が足りないのだから。しかし心情的にやはり鬼道は花織の試合出場に賛成はしたくないのだろう。

「なあ鬼道、どうするんだ?月島は出たがってるんだから一緒にやってみればいいんじゃないか?一応、修練場でも特訓やったことあるんだしさ」

円堂が鬼道に問いかける。だが、鬼道は首を縦には振ろうとしない。実際、力量差も花織が女であることも関係はないのだ。……ただ万が一の怪我をする可能性を考えて、花織を試合に出したくない。中学生同士の試合であったならばまだ考えてもいいが、自分でさえ大人との体格差に苦戦する試合だ。自分よりも細く、小柄な花織に試合に出すのはリスクが高いような気がした。特に彼女はサッカーに関してはほとんど初心者なのだから。

「風丸、お前はどう思う。花織が試合に出ることに賛成できるか?」
「えっ」

急に話を振られて風丸はたじろいだ。まさか声を掛けられるとは思わなかったのだろう、急に自分に視線が集まって彼は目を逸らす。彼の答えはいつでも変わらない、いつもひとつだけだ。

「監督に下げられた俺が口を出せる筋合いはないが……、俺は花織が出ることには反対だ」

理由は鬼道と同じだった。花織に怪我が及ぶ可能性を考えてのことだ。……結局、彼女にとってある意味特別な二人からは賛成が得られなかった。花織は俯き唇を噛む、やはり黙ってベンチでのサポートに徹するべきだっただろうか。……でもこの状況で黙っていられないのだ。
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