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嫉恋

第2章 想いのすべて




鬼道がそのまま立ち去ろうとする監督に抗議する。一番の問題は確実にこれだろう、人数が足りない。11人VS7人なんて無茶にもほどがある、監督は何を考えているんだろうか。確かに怪我をしているメンバーを休ませることも大切だが、まずは皆が納得いっていないのならば、何故メンバーを下げるのか説明すべきではないのか。

「秋ちゃん、これお願い」
「えっ?花織ちゃん?」

監督の横暴な態度に花織は苛立っていた。花織は自分が手に持っていたものを秋に押し付ける。そして監督の前に歩み出ると、少し苛立ちを見せるような表情でじっと監督を見据えた。

「監督、お願いがあります」
「何かしら」

ちらりと表情を変えずに監督が花織を見下ろす。

「私を試合に出してください」

一瞬、チーム内に沈黙が走った。だが、花織が放った言葉を飲み込むや否や、チーム内から驚愕の声が上がる。チームもマネージャーも動揺にざわめいている。

「おい花織」
「鬼道さんお願いします。人数が足りているならまだしも、こんな圧倒的不利に黙ってられません!」

花織が主に円堂と鬼道、そして監督に向かって頭を下げる。花織は、正直に言ってサッカーの試合という形式は帝国学園での授業以外ではプレーしたことは無い。

だが、今まで雷門中の試合やその他の学校のビデオを見てはチームプレーについて勉強を重ねてきたつもりである。加えてこっそりイナビカリ修練所で練習していたこともあるのだから、基礎体力や特に足の速さにはそれなりの自信があった。

「駄目ね。貴女はマネージャーでしょう、戦力にならないのが見えているわ」
「戦力にならなければすぐにベンチに下げて頂いて結構です。それに監督は自由にやれと仰いましたよね」

半ば喧嘩を売るような口調で花織が監督を見る。監督は呆れた様子で、じゃあ好きにすればいいわと言って去って行った。花織は軽く頭を下げると、鬼道の方へ向き直る。鬼道は不服そうな表情をして腕を組んでいた。
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