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嫉恋

第15章 砕氷の時




「その風丸を一番心配することに罪悪感を覚えて、お前は吹雪を放置するつもりか?」
「……」
「お前は選手と一緒に悩み、問題を解決していきたいと言った。その気持ちはもうないのか?」

花織は静かに首を振る。もちろん今でも一緒に解決していけたらと思ってはいる、ただ方法がわからないだけだ。花織の答えに豪炎寺は優しく微笑み花織の髪を撫でた。豪炎寺は以前から良く花織の髪を撫でる。その手が優しくて花織の心はゆっくりと温かくなった。

「だったら、それでいいだろう。お前ができることをすればいい。たとえばお前自身が悩んでいる時、誰かにしてほしいことを」
「豪炎寺くん……」

豪炎寺の言葉に花織は今まで自分の相談に乗ってくれた人たちのことを思いだす。鬼道を始めとするいつも自分を助けてくれる人たち、そして自分をいつも助けてくれた彼が自分に何を施してくれたか。

……皆、花織の気持ちを聞いてくれた。花織の気持ちに共感し、花織の手を握っていてくれた。

「お前のことは頼りにしている。マネージャーとしても、選手としても」

花織は何も言わずに微笑んだ。豪炎寺は人を鼓舞するのが本当に上手いと思う。実際花織の中で渦巻いていた蟠りは解消された。自分にできることをするしかない、彼の気持ちに共感し、自分も気持ちを伝える。それしか自分にできない。

「ありがとう……、豪炎寺くん」

静かに目を伏せ、豪炎寺に礼を言う。豪炎寺は大人びた微笑を浮かべ、花織の髪を再びくしゃくしゃと撫でた。月明かりにキラキラと花織の胸元のペンダントが光を反射させる。

「……風丸にもお前の気持ちはきっと届いている。だから大丈夫だ」

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