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嫉恋

第15章 砕氷の時




「……士郎くん」

先ほどのやり取りを思い出す、何とも声を掛けにくい気がした。それでも花織は意を決して吹雪の肩を叩いた。吹雪が振り返る、彼の瞳はじっとイプシロンの選手を睨み付けていた。

「……完璧に、なるんだ」

吹雪は花織が肩を叩いたことに気が付いていないようだった。ぽつりとイプシロンに視線を向けたまま呟く。その言葉には執念の様なものが孕まれていた。

***

イプシロンの選手たちは改と名乗るだけあって、パワーもスピードもそして必殺技もパワーアップしていた。

しかし雷門のメンバーも円堂の新必殺技、正義の鉄拳の成功によりチームが盛り上がっていた。イプシロンのフィールドプレイヤーとはほぼ互角で渡り合っている。花織はじっと吹雪の様子を窺う。今はまだ、いつもの吹雪のように思える。今日の吹雪はディフェンダーとしてのスタートで、試合開始からまだボールに触れていない。

「ローズ、スプラッシュ!!」

リカの必殺技が炸裂する。だがそれはいとも簡単にデザームのワームホールで止められてしまった。デザームはボールを左手で鷲掴み、右手を上げた。その手は一人の選手を指差す、吹雪だ。

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