第14章 喪失の余韻
海面から桃色の髪をした男が現れ、目金の服を掴んだ。目金を担いですごいスピードで岸まで泳いでいく。
「凄い!!誰だアイツ!」
塔子が叫ぶ。花織もそのあっという間の救出劇に何も言えないでいた。
***
円堂たちは砂浜でサッカーの練習をすることになった。
目金の転落事故があったせいで、沖縄本島へ向かう船に乗り遅れてしまったのだ。何でも船は一日一便しかないらしい。ということで今日はこの阿夏遠島に泊まることになってしまった。そして円堂の提案により砂浜でサッカーをすることになったのだ。そして何の因果か先ほど目金を救出した男も練習に加わることになった。と、いっても鬼道がその男を挑発し練習に参加させたのだが。
彼は中学三年生で綱海条介という名のサーファー、サッカーは未経験なのらしい。だがそれにも関わらずリカと塔子の放ったバタフライドリームを蹴り返したところに鬼道が目を付けたのだ。彼はずば抜けた運動神経をしており、地上を転がるボールはともかく空中に浮いたボールに関してはことごとくカットできるようになっていた。そして綱海はツナミブーストという超ロングシュートを短時間の練習で編み出した。
綱海はこの練習で雷門イレブンと仲を深め、夕食には魚を振る舞ってくれたりした。雷門イレブンは久しぶりに明るくて楽しい夜を過ごすことができた。
そして翌日、一行は沖縄本島へと向かった。瞳子は先日から沖縄入りをして炎のストライカーの情報を探ってくれているのらしい。雷門イレブンの中では炎のストライカーは豪炎寺である、という確証はないものの、豪炎寺であろうという期待が高まっていた。響木監督の情報を元にキャンプを張り、雷門イレブンのメンバーもこれからチームに分かれて沖縄を探索する。手がかりはほとんどないが、聞き込みをしていけば何かわかるだろうという考えである。
「あっちぃ……、しかし手がかりがもっとあればいいのにな」