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嫉恋

第14章 喪失の余韻




あの日の夜、流星ブレードを受け倒れてしまった吹雪のことが心配だった彼はこっそりと病院へ忍び込み、彼の無事を確認しに来た。その時に今夜のように一人泣いている花織の姿を見つけたのだ。携帯電話を握り締め、一人で背を震わせている姿を見るとヒロトは胸が締め付けられるような感覚に襲われた。何が彼女を悲しませているのか。雷門の内情を探ればジェネシスとの試合の直後、彼女の恋人が雷門を去ってしまったという事実を知った。

「平気で人を傷つけるエイリア学園の貴方が、私一人を心配してこんなところに来たっていうんですか?……嘘はいい加減にして下さい」

花織の言葉はヒロトを突き放す様に冷たい。花織の声は震えていた。彼女は自分の恋人を追い詰める引き金となった人物に、言葉がどうであれ慰められているという事実に情けなさを感じていた。

「嘘じゃない。……俺、月島さんが泣いている姿を見ると、なぜか胸が苦しくなるんだ。あの試合のせいで君にそんな顔をさせるつもりじゃなかった。……俺を嫌うのは構わないからこれだけは信じてほしい」

ヒロトは痛切に胸の内を花織に伝える。胸の中を急に蝕み始めた今までなかった感情。ただ花織が苦しみに涙している姿を見たくなかった。本当にただそれだけなのだ。ヒロトは花織の腕を掴んでいた力を緩めた。彼は花織が逃げ出すだろうと考えたが、花織はそうしなかった。ヒロトをちらと振り返る、その瞳には困惑の色が浮かんでいた。

「貴方は……」
「月島さん、まだ彼には連絡がつかないんだよね」
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