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嫉恋

第2章 想いのすべて




「あの人は俺たちのサッカーがどんなものか見たいんだろう」
「ああ、初めて指揮する試合だからな」

瞳子の言動にぽかんとする選手たちに向かって、鬼道が推測を述べる。さらに豪炎寺もさらにその意見を推した。確かにその考えならば一理あった、瞳子監督はこの試合が初めてだ。雷門イレブンの実力をもしかして知らないのかもしれない。だとすれば、この判断は間違いではないのだろう。鬼道の言葉に花織は多少なりと納得した。

「それじゃ、10人でのフォーメーションはどうする?」

一之瀬がチームに問いかけた。そう、今回は一人足りないのだ。

「MFに風丸と土門を上げてオフェンスを強化する」
「……」

鬼道がすぐに意見を出した、花織は慌てて口を噤む。本当は提案したいことがあったのだが、鬼道がすぐに作戦を提示してしまったためだ。10人で戦う作戦としてそれは理に適っていた、円堂は日本一のキーパーだろうし、それならば攻撃に選手を回した方が効率がいい。こういう時は先取点をとったほうがいいのだから。

「よーし、みんな!!行くぞ!!」
「「おう!!」」

選手たちが円陣を組み、声を合わせる。花織が秋たちと一緒にベンチに戻ろうとすれば、鬼道にすぐさま呼び止められた。他の皆はすでに整列し始めている。それでも彼は気にも留めず、花織へと声を掛けた。

「どうしました、鬼道さん?」
「お前、さっき何か言い掛けなかったか?」

流石鬼道だ、花織の動揺にちゃんと気が付いていたらしい。そして多少自分が花織の言葉を遮ったことを気にしてくれていたようだ。だが、花織は何事もなかったように笑って顔の前で手を振る。

「いいえ、何でも。……頑張ってくださいね、応援してます!」
「ああ」

今更、言うことなんて出来ないだろう。私でよければ試合に出たいです、なんて。

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