第2章 想いのすべて
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「……で、何でサッカーなのよ」
ぽつりと夏未が呟いた。場所を移し、鹿公園のすぐ近くのサッカーグラウンド。そこでサッカーの試合をすることになった。何でも彼らに勝てば宇宙人でないことを信じてくれるのらしい。……正直、宇宙人ならば楽々彼らにも勝てるだろうと思うのは気のせいだろうか。
「さあ、でもやって損はないわ。大人相手に彼らがどこまで戦えるのか、見てみたいの」
夏未の傍にいた監督が答えた。そういえば今回は、瞳子監督が指揮する初めての試合だ。いったいどんな戦略を立てて大人との試合をするのだろう。
「向こうが大人だからって怯むな、ピッチに立ったら同じサッカー選手だ!」
円堂の言葉を筆頭に選手たちが作戦を立て始める。体力差があるため、ペース配分に注意しなければならないことなどだ。そして何よりも、重大なハンディがこちらにはあった。核心の言葉を土門が口にする。
「でも、こっちは一人足りないしな」
そう、元々の人数が足りないのだ。前回のエイリア学園との試合で多数の負傷者が出てしまった。そのため、選手は現在10人しかいない。大人相手にこれは大きな痛手だ。しかも相手は何でもSPフィクサーズというチームらしい。……はっきり言って状況はかなり悪いだろう。
「監督、何かアドバイスをお願いするッス」
壁山が頼るように監督に指示を乞うた。全員の視線が瞳子監督に寄せられる、大人相手にどう戦うべきか……、監督の采配に勝利はかかっているといってもいいだろう。
「とりあえず、君たちの思うようにやってみて」
だが、監督の言葉は素っ気なかった。それだけ言うと身を翻してベンチの方へと向かってしまった。花織はそんな監督の態度に眉を顰める。監督なのに、そんなのってあるだろうか。響木監督の後任なのだから、それなりに実力ある監督なのだろう。なのに選手に掛ける言葉はそれだけか、花織はサッカーに詳しくないが酷くそれを疑問に思った。