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嫉恋

第13章 絶望に染まる




そして付け加えるなら選手でない花織にはわからないといったところだろうか。これは真帝国学園との試合の時、佐久間と源田が彼女に対して掛けた言葉にある。あの時彼らは勝者の座から引きずり降ろされた気持ちは、陸上部員だった花織には分からない、という旨の言葉を掛けた。これと同じではないだろうか。選手でない、風丸中心にサッカーを考えている花織には分からない。誰よりも速く走れていた立場から、置き去りにされてしまうということを。

「吹雪もだ。アイツはアイツでお前に遠慮していたんじゃないか?……お前に話を聞いてほしいなら、お前に声を掛けるだろう」
「……鬼道さん」
「そしてお前が考えるべきは後悔ではなく、今後どうするかだ」

花織の目が大きく目を見開く。今後、どうするか……、全然考えていなかった。ずっと風丸が去ってしまったことを思い、自分を責めてばかりだった。

「土門も言っていた通り、風丸はきっと戻ってくる。お前の役目は風丸の戻ってくる場所を守ることだ」
「一郎太くんの戻る場所……」

風丸は必ず戻ってくる。そうだ、そうに決まっている。花織だってそう信じている。そう思うのだったら花織はチームに残らなければいけない。花織が今、マネージャーをやめてしまったら彼が戻ってくる場所が狭まってしまうかもしれない。彼が戻るためにも花織が風丸を待っていなければならないのだ。彼が戻ってきたとき、お帰りと言えるように。彼がまた、フィールドを駆ける姿を見るために。
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