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嫉恋

第13章 絶望に染まる




「私が気に掛けてたのは吹雪くんなんです。……ずっと彼の様子を気に掛けていました。一郎太くんはいったいそれをどう思ったのか……。でも私は一番近くにいる彼の気持ちに気づかないで他の心配ばかりしていたんです。……そしてその吹雪くんの悩みも満足に聞くことができなかった。彼の悩みに気づいていながら、何もしなかった」

花織はボロボロと涙を零しながら鬼道を見る。

「吹雪くん、ジェネシス戦の前夜、ずっと私の方を見てたんです。その日の夜ちゃんと話を聞いていれば、何かが違ったかもしれない。……吹雪くんの人格変化にも僅かながらに気づいていたのに核心には迫れなくて」

口にするたびに自分にどれだけの非があったかが明白になる。罪悪感は益々花織を押しつぶそうとした。

「私は……、マネージャーとしても一郎太くんの恋人としても失格です」

鬼道の手を握っていた花織の手が緩む。花織は自覚していた、花織が監督に叫んだ言葉は自分自身に訴えかける物だった。自分が、彼らの話を聞くべきだったのだ。自分がマネージャーとして、そして彼の恋人としてきちんと理解をしなければならなかったのだ。

「……監督の言うとおり、キャラバンを降りることも考えています。私はいても役に立てない、それどころか」

それだけではなかった。花織にとってサッカーとは風丸がいてこそなのだ。風丸がいないサッカーを見つめ続けて何が得られるだろう。風丸がいなければ花織がここに居る理由はないのだ。

「花織」

緩んだ花織の手を鬼道が強く引きよせた。花織の手を離すまいと彼は彼女の手をしっかりと握りなおす。

「お前だけに非があったわけではない。……きっとすべてに訳がある。普通ならお前が風丸が悩んでいることに気づかないなんてことがあるか?お前は四六時中アイツと一緒に居たんだぞ」
「でも……」
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