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嫉恋

第13章 絶望に染まる




花織の目からあふれ出した涙が花織の頬を伝う。その表情は怒りを孕んでいながらも、一部の人間にはどこか悲しげなふうに見えた。花織は涙を拭いもせず、声を荒げて叫ぶ。いつもの大人しい彼女の姿とはかけ離れた姿だった。

「染岡君の怪我を知りながら酷使させて、いらなくなったらキャラバンから外す。豪炎寺君のことも理由を特に説明しない。相手チームであるからと佐久間くんや源田くんの身体のことすら気にしない。……貴女は監督としての義務すら放棄している!!」

花織はこぶしを握って目一杯叫ぶ。

「一郎太くんたちは貴方の命令で動くチェスの駒じゃない!!雷門の皆はエイリア学園を倒す道具なんかじゃない!!」

花織は先ほどの監督の言葉が許せなかった。ひとりひとり、皆個性ある人間だ。悩みもするし、落ち込みもする。風丸だって、吹雪だってそうだ。その人間を戦力にならない者はいらない、といってまるでごみのように放り、代替品を嵌めこむ。イナズマキャラバンは歯車で動くおもちゃでは決してないのに。

「私は貴女を……、貴女をキャラバンの監督だなんて認めたくない!!私の大切な仲間を指揮する人だなんて認められない!!」

花織はありったけの声で叫んだ。それが瞳子にどう映ったのかは分からない。しばしの沈黙の後、瞳子は花織に言葉を放った。それはいつも通り、冷たくて端的な言葉だった。

「……結構よ、なら貴女も出ていけばいいわ。エイリア学園を倒すのは遊びじゃないの、貴女がいつまでも離脱した選手に固執するなら貴女にもチームを離れてもらうわ」
「……っ!!」

花織は悔しそうに目を伏せた。この人には何を言っても分からないのだ、花織は唇を痛いほど噛みしめて監督に背を向けた。もう何を言ったって仕方がない。花織は監督の顔を見たくなくてその場から駆けだした。誰かが自分を引き留めるような声を掛けたが、その声に彼女の足が止まることは無かった。
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