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嫉恋

第13章 絶望に染まる





「ああそうだったな!アンタは勝つためならどんなことでもする奴だもんな!吹雪が二つの人格に悩んでいるのを知りながら使い続けるくらいな!!」

花織よりも先に土門が激昂して叫んだ。花織の勘尺玉が爆発するのは時間の問題だった。その瞬間は瞳子が発した次の言葉で訪れた。

「練習を始めなさい、空いたポジションをどうするのか考えるのよ」

いつものようにクールに言い放ち、瞳子がその場を立ち去ろうとした時だった。花織は顔を上げてキッと瞳子を睨み付けた。彼女はいつもの彼女ではなかった。まるで使い捨ての駒のように自分の恋人である風丸の存在を放り捨てた瞳子へ酷く激怒していた。

「監督」

彼女の声は震えていた、それは悲しみにではなく怒りでだ。花織は一歩一歩瞳子に向かって足を踏み出す。花織を支えていた鬼道が引き留めようとしたが花織はそれを振り払った。チームのほとんどのメンバーが花織の動向に注目していた。誰もが今の瞳子の言葉を非道だと思ったから尚更だ。しかも瞳子が今、あっさり切り捨てた風丸を誰よりも愛している人物の前で。

「監督にとって一郎太くんたちは、代替の利く部品か何かですか?」

瞳子は花織を無表情で見つめていた。対して花織はいつになく敵意丸出しの目で監督を睨み付けている。元々この人のやり方は気に入らなかったのだ、花織は腹の底から湧き上がる怒りでこぶしを震わせる。今、この人を世界中の誰よりも嫌悪したかもしれない。

「自分にまるで過失がないみたいな言い方。……吹雪くんのことも、一郎太くんのことも貴女には監督としてできたフォローがあったんではないですか?いいや、……それだけじゃない」
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