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嫉恋

第13章 絶望に染まる




花織の心臓がどくんと音を立てた。風丸がここを去り、花織が気を失ってから何時間たったかは分からない。だが少なくとも風丸が東京に帰ってしまうくらいの時間は経ったようだ。花織は俯く。淡々とした瞳子の言葉が胸に刃のように突き刺さった。

「どうして止めなかったんですか!?ここまで一緒に戦ってきた仲間なんですよ!!」

秋が瞳子に意見した。花織はハッと顔を上げる。彼は監督に直接話をしてるのか、だとしたら秋の言うとおりどうして止めてくれなかったのだろう。花織は瞳子の言葉を待つ、瞳子の言葉は花織の逆鱗に触れる物であった。

「サッカーへの意欲を無くした人を引き留めるつもりはないわ」
「!!」

選手たちがざわめく。花織は俯いたまま奥歯を噛みしめ拳を握った。今なら監督に殴り掛かっても仕方がないと思った。花織はふつふつと込み上げてくる怒りを何とか飲み込もうとする。花織の感情は今、荒波のように荒れ狂っていた。今爆発させてしまったら自分でも何を言ってしまうかわからない。それでも瞳子の言葉は花織の心を逆撫でした。

「私はエイリア学園を倒すためにこのチームの監督になったの。戦力にならなければ出ていってもらって結構」

ぶちん、と花織の中で堪忍袋の緒が切れる音がした。視界が涙で潤んだ。いつも必死に努力を重ねていた風丸の姿がぼやけた視界に浮かぶ。花織はポケットに入っているノートを握った。彼のことで一杯になっているノート。花織が試合中に気づいた点を纏め、それをハーフタイムや休憩時間に共有した。決して最初から意欲が無かったわけではない。
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