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嫉恋

第12章 心の均衡




ジェネシスと雷門の試合はジェネシスメンバーの中でも困惑があるようだった。どうやらヒロトことグランの独断で決めた試合らしい。彼の言い分は円堂たちのサッカーが気になるから、とのことだった。

吹雪とリカのツートップで試合はスタートした。

しかしジェネシスとの試合はまるでジェミニストームとの試合の再来だった。必殺技を使わないノーマルシュートでさえ止められない。それどころか選手一人も止められない。圧倒的に実力差の出た試合だった。

花織はこの圧倒的な試合に息の詰まる様な感覚を覚えていた。風丸がボールをカットしようと躍起になっているのが分かったが、彼はボールを奪うことができなかった。そしてヒロトに睨まれて以降、ずっと彼の足は止まりがちだ。昨日の試合とは一変して暗い表情、いや花織の見たことの無い表情をしていた。

……一郎太くん。

花織は風丸に何かあったことを悟った。だがもっと様子がおかしいのは吹雪だ。ミスと絶叫を繰り返し、とてもじゃないが普通ではない。どちらかといえば吹雪のことが気がかりだった。

「流星ブレード!!」

ヒロトが必殺技を放つ。鋭いボールがゴールへと向かった。円堂が危ない、誰もがそう思った。吹雪が絶叫しながらボールへ向かって走り出す。そして彼はボールに顔面から体当たりをし、試合は中断した。

「吹雪くん!!」

倒れたまま立ち上がらない吹雪に向かって花織は走り出す。彼女は自分の恋人が呆然と立ち尽くしているのに気付けなかった。目の前にいる怪我人に意識が完全に向かっていた、彼女は意識の戻らない吹雪の名前を必死で叫んでいる。

風丸はそんな様子をベールが掛かった白い靄の中で聞いていた。
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