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嫉恋

第11章 不穏な空気


***

風丸は花織の姿が再び見えないことに気が付いてピッチを出た。毎度毎度、彼女の姿を探して練り歩いている自分に呆れの気持ちすら湧いてくるくらいだ。しかしもしものことがあってはいけないと言い訳をして彼女を探す、何しろここはエイリア学園の所有する建物だからだ。

歩きながら風丸は今日の試合を思い返していた。引き分けた、チームの皆はそれにとても喜んでいた。だが風丸はあまり素直に喜べなかった。他の気持ちの方が彼の心の中での大半を占めていたからだった。

勝てなかった、こんなに頑張ったのに。

この練習所で特訓を重ねて、風丸は自身かなりパワーアップをしたつもりだった。前半が終わった時点でこれなら勝てると思った。だが勝てなかった。それどころか自分の技は奴らには通用しなかった。たった一度繰り出した疾風ダッシュはイプシロンのディフェンスに止められてしまった。

この戦いはいつまで続くのだろう。イプシロンを倒して、本当にそれで終わりになるだろうか?またジェミニストームを倒した時のように新たなさらに強いチームが現れたら?特訓しても勝てなかったらどうすればいいのだろう。

エイリア学園を倒すために自分は今特訓を重ねている。でもエイリア学園を倒せなかったらどうすればいい。花織に愛想を尽かされてしまったらどうすればいい。

強くなりたかった。もっと、自分がもっと強ければイプシロンに勝てたかもしれない。誰よりも速く在れたかもしれない。力が欲しくて努力を重ねているのにその努力に自分のパワーアップは見合わない。

風丸は鬱々とした気分で暗い廊下を歩いている。するとその時声が聞こえた。少女の高い声だ、よくは聞こえなかったが風丸はそれを花織の声だと確信した。急いで廊下を駆ける。そして声のする、先の廊下を覗き込んだ。

「……!!」

そこには吹雪と花織の姿があった。何やら二人で話し込んでいるようだが、内容は風丸までは届いてこない。唯花織が心配そうに吹雪の顔を覗きこんでいる姿が目に入った。

どうして、吹雪と花織が?

風丸の中で黒い感情が溢れ出す。吹雪は、今日の試合でも大活躍だった。誰よりも雷門の勝利に貢献して、何よりもエターナルブリザードでデザームのゴールをこじ開けた。俺とは違う、強い人間だ。
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