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嫉恋

第2章 想いのすべて




「いや、二人きりではまるでデートのようだと思ってな」
「……!」

柄にもない鬼道の言葉に花織が大きく目を見開く。桜の咲き乱れる美しい公園、確かにデートスポットとしては相応しいような気もする。恋人同士でこんな場所をのんびり散歩するのはとても楽しいことだろう。だが、その発言は鬼道のキャラではない。

「どうしたんですか、急に」
「いや……、特に他意はない。ただそう思っただけだ」

鬼道は、花織と妹である春奈の事にはとても敏感だ。だからこそ、この頃になって花織の自分に対する態度の微妙な違いや彼女の心境の変化に徐々に気づき始めていた。もちろん確信には至っていないが、やはり何か気になることがあるようだ。今の言葉も、彼女の気持ちを探ろうと思い掛けたものだった。だが、花織は鬼道の気持ちにはちっとも気が付いていないようだ。

「ふふ、変な鬼道さん。……でもこんなところでデートするんだったら、のんびりサッカーやバドミントンができそうですね。初めてデートするならこんな綺麗な場所が良いです」
「……?お前、風丸とふたりで出かけたことは無いのか?」

微笑みながら花織が言った言葉に、鬼道は怪訝そうな顔をして眉間に皺を寄せる。聞いてはいけない部類の質問だとはもちろんわかっていたが、思わず鬼道は花織に問い掛けてしまった。花織は微苦笑を漏らしながら、風にそよぐ髪を押さえた。

「……実を言うと、彼とデートしたことなかったんです。ずっとサッカー部の練習がありましたし、それにお休みの日は一緒に河川敷でサッカーの練習してばっかりで……。でもそれって、デートじゃないでしょう?」

同意を求めるように花織が鬼道に笑い掛けた。だが鬼道は眉間に皺を寄せたままだ。花織の言葉に何と答えて良いのかわからないのだ。
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