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嫉恋

第11章 不穏な空気



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後半は特に吹雪のワンマンプレーが目立った。花織は今回ばかりは吹雪のことが気に掛かって自然と吹雪のことを見ていた。吹雪は荒々しく、普段の穏やかさなど全く窺えないほど荒れていて、味方であるリカのボールを奪ったり、雄たけびを上げる姿も見られた。明らかに吹雪の様子がおかしく、ディフェンスミスも目立った。そしてそれに続く木暮のミスでイプシロンに一点リードされてしまった。

その後何とか持ち直し、吹雪はエターナルブリザードで一点をもぎ取った。イプシロンへの初得点にチームのテンションは上がり、このまま逆転できるかもしれないと思われた。しかし、そう上手くもいかなかった。キーパーのデザームが新たな必殺技を繰り出したのだ。ワームホールよりも格段上、ドリルスマッシャーという名前の必殺技だ。

その必殺技の前に得点は決まらず、結局1-1で引き分けという形で今回の試合は終結した。勝てなかった、だがそれでも引き分けだ。前回あんなにボロボロに負けたイプシロンに対し、引き分けという結果を収めたのだ。それは大きな進歩であると言えるだろう。

しかし得点を決めたはずの吹雪は浮かない顔をし、一人ピッチを去って行った。ずっと試合中も吹雪の様子を窺っていた花織は、その姿を目の端で捕えて吹雪の背を見つめる。やはり今日の彼はおかしい。先ほどは聞くことができなかったがやはり話を聞いてみるべきではないのだろうか。選手が悩んでいるならば話を聞くのは監督やマネージャーの役目だ。

花織は吹雪の姿を追って男子トイレに向かう。先ほどと同じ場所だ、きっと彼はそこにいると思った。男子トイレへと歩を進めてみる、さすがに男子トイレに踏み込むというのは気が引けた。恐る恐る中を覗き込む。
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