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嫉恋

第10章 戦士の休息




***

「はあ……っ、ふー……」

練習の合間、花織はドリンクを飲みながら息をついていた。やはり選手たちと少し実力に差が出てしまっている気がした。元々練習量が違うために明らかに違いはあったのだが、それが益々大きくなっている気がする。汗を拭いながら花織はやはり夜中にも自主練習をしなければならないな、と考えを巡らせていた。

「花織、大丈夫か?」

同じく休憩に上がってきた鬼道が花織に声を掛ける。花織は頷いて鬼道を見た。鬼道は花織ほど息が乱れていない、やはりさすがだと思った。鬼道は司令塔として他のメンバーにも指示を出していた。だから、人一倍疲れていても仕方が無いはずなのに。鬼道は凄いと改めて思いながら何気なく彼のマントに視線を落とす。

「あれ、鬼道さん」

花織はその声と同時に鬼道のマントを持ち上げた。彼のトレードマークともいえるマント、そのマントの端が縦に裂けていたのだ。恐らくスライディングか何かをしたときに摩擦で敗れてしまったのだろう。

「破れちゃってますよ、マント……」
「本当だな、取り替えておこう」

鬼道がマントを脱ごうと首元の紐を解く。花織はあっ、と声を上げて彼のマントを持ち上げた。そして鬼道に微笑みかける。

「私で良ければ直しますよ、鬼道さん」

花織は自分の荷物の中からソーイングセットを取り出した。一応嗜みがないわけではないし、この程度の損傷ならすぐに応急処置くらいはできるだろう。鬼道は少し黙っていたが、花織にマントを手渡した。

「じゃあ頼むぞ、花織」
「はい」

花織はベンチに腰を掛けて鬼道のマントを広げる。手早く針に糸を通すと手慣れた様子でちくちくとマントを縫い始めた。鬼道もその横に掛け、彼女の手つきを見つめる。

「さすがだな」
「いいえ、このくらいは全然」

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