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嫉恋

第10章 戦士の休息




「うん、じゃあそういうわけだから。お好み焼きどうもありがとう。ホント、すっごく美味しかったよ」

お好み焼きに対する賞賛をしながら一之瀬がそそくさと退散しようとする、が、その前に女の子が立ち塞がった。そうはいかへんで、と一之瀬の前に手を突出しにやり、と笑う。

「アンタ、うちの特製ラブラブ焼き食ったやろ?アレ食べたら結婚せなアカン決まりやねんで」
「け……」

結婚!?と一之瀬からも雷門メンバーからも叫びが上がる。想定外の発言だった、焦りを隠しきれずに一之瀬が女の子に食って掛かる。だが女の子はしれっとした様子だ。

「でもそんな話一言も」
「当たり前やん、そんなん言うたら食べへんかったやろ?」

女の子の方が一枚上手だ。花織はこっそりと繋いでいた風丸の手を強く握った。大阪の気質というのだろうか、さっきのお姉さん然り、この女の子然り、皆押しが強いように感じる。自分の恋人も放って置けばこんなふうに詰め寄られることがあるかもしれないと思った。

「ま、そういうことやから。エイリア学園かなんか知らんけど、そいつらはアンタらだけで倒してな。ダーリンはうちとここで幸せな家庭築くよってな」
「だ、ダーリン!?」

秋が女の子の言葉に驚愕の声を上げた。一之瀬の幼馴染、秋と土門は凄い顔をしている。幼馴染が遭遇した最大の危機に驚きを隠しれないでいるらしい。ちらりと花織が一之瀬を見れば、一之瀬は今にも泣きだしそうな顔をしていた。

そして女の子は言った言葉の流れでひょいひょいっと円堂らを店の外へ押し出し、可愛らしくにっこりと笑う。

「お好み焼き食わへんのやったら出てってや、商売の邪魔やからん。ほな、さいなら!」

商売の邪魔、と言いつつちゃっかり閉店の番をだし、女の子はぴしゃりと円堂の鼻先で扉を閉めてしまった。雷門のメンバーは全員が全員困惑を隠しきれなかった。今の嵐のような一連の出来事は何だったのだろう。閉められた扉を見つめれば、奥からは一之瀬と女の子のやり取りが聞こえてきた。
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