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嫉恋

第10章 戦士の休息




「俺は男ですが……」

憤慨したような口調、そうお姉さんの言葉はまるで女の子二人が遊園地に遊びに来ている、と取れるようなものだったのだ。確かに風丸は髪が長いし、女の子の様な綺麗な顔立ちをしているから、女子に見えないこともない。だが今まではあまり間違えられることはなかったからびっくりしたと同時にムッとしたようである。特に彼女の前でそんなことを言われてしまったら面目丸つぶれだ。お姉さんは少し驚いたようだが、すぐにまた話を続けはじめた。

「あっ、そうなん!?何や~、おふたりさんデートなんやね。お姉さんびっくりやわ!そんなら兄ちゃん、尚更チャレンジせな!こないに可愛い彼女さんが欲しい言うとるんやろ?」

な?と人の好い笑みを浮かべてお姉さんが花織の両肩を持つ。大阪人特有の、と言ってはなんだかとても押しが強いお姉さんは笑顔で今度は花織の顔を覗きこんだ。

「彼女さんもさっき可愛いって言うとったもんな?こないな美形の彼氏さんにプレゼントしてもらえたら嬉しいやろ?」
「え、えっと……」

お姉さんの凄い剣幕に困ったように花織は眉根を寄せて口籠る。景品のペンダントは確かに可愛いとは思うが、きっと自分がプレイしても手に入らないことはわかりきっている。このゲームは的当てゲームでボールを投げて標的に当てるものだ。花織はこういうゲームは得意ではない。運動神経が悪いわけではないのだが、ボールを投げることに慣れがないのだ。特にテーマパークのゲームなどは難しいから、ただお金を無駄にしてしまうだけだと思っている。そして風丸の手を煩わせてまでほしいとは思えない。

花織がいいです、とお姉さんに断りを入れようと口を開こうとした時だった。
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